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ルールは短いほど守られる
AIのルールを作ろうとすると、心配なことを全部書きたくなります。でも、10ページのルールは誰も読みません。読まれないルールは、ないのと同じです。
TOCで見ると、ルールが長いこと自体がボトルネックになります。読む時間がない人は、自己流に戻るからです。
このページのひな形は、1〜2ページに収まるようにしてあります。自社の言葉に書き換えて使ってください。
国のガイドラインの考え方
総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン」(第1.2版、2026年3月31日公表)は、AIを使う会社も含めて、次のような考え方を示しています。
- 大事な場面では、AIに任せきりにせず、人の判断をはさむことを考える
- 関係する情報を記録して、一定期間残す
このひな形は、この考え方を中小企業の日々の仕事に置き換えたものです。
ひな形

○○株式会社 AI利用ルール(第1版 20XX年X月X日)
1. このルールの目的
AIを安心して仕事に使い、お客様と会社の情報を守るためのルールです。
社長を含む全員が対象です。
2. 使ってよいAI
・会社が契約した次のAIだけを使います:(道具の名前)
・個人のアカウントや、会社が決めていないAIは仕事に使いません。
・使いたいAIがあれば、(担当者)に相談してください。
3. 入れてよい情報・いけない情報
・青(どのAIにもよい):公開している情報、一般的な質問
・黄(会社のAIならよい):社内の手順書、名前を伏せた会議メモ
・赤(どのAIにも入れない):パスワード・鍵、お客様の名簿、
個人の健康や家族の情報、取引先から預かった資料、公表前の数字
・迷ったら、1つ厳しいほうにします。
4. 人が確かめること
・AIの答えは、事実(数字・名前・日付)を元の資料で確かめてから使います。
・社外に出す文章は、出す人が読んで、自分の言葉として責任を持ちます。
・AIにさせない操作:送る、公開する、消す、お金を動かす。
これらは、人が内容を見てから行います。
5. 記録
・AIに任せた仕事は、何を任せたかを(置き場所)に残します。
・AIにつないでいる道具と、渡している権限を一覧にし、
(担当者)が半年に1回見直します。
6. 困ったとき
・入れてはいけない情報を入れてしまったら、すぐ(担当者)に知らせます。
・知らせた人を責めません。早く知らせることがいちばん大事です。
7. 見直し
・このルールは半年に1回見直します。
・迷った場面があれば、(担当者)に伝えてください。表に1行足します。
作るときの3つのコツ
1. 社長も対象にする
「社長を含む全員」と書きます。社長だけ例外にすると、社員も守らなくなります。
2. 担当者を1人決める
相談先が決まっていないと、迷ったときに誰にも聞けません。詳しい人でなくてかまいません。窓口を1人決めることが大事です。
3. 迷った場面で育てる
最初から完璧にしなくてかまいません。迷った場面が出るたびに1行足します。
AI×TOC研究所での実例
AI×TOC研究所のAIのルールは、AIが毎回最初に読む1枚のファイルに書いてあります。このひな形と同じ考え方の項目が入っています。
- 置かないもの・見せないもの(鍵など)
- 確認をとってから行うこと(公開する、送る、消す)
- 聞かずに進めてよいこと(記録の1行、メモや下書き)
- 足りないものがあるときは、推測で埋めずに止まること
人に向けたルールとAIに向けたルールを、同じ1枚にしておくと、両方が同じ決まりで動けます。
まずやること
ひな形をコピーして、2番の「使ってよいAI」と6番の「担当者」だけ埋めてみてください。それだけで、迷ったときの行き先ができます。
あなたの会社で、AIの相談窓口になれるのは誰でしょうか。