『ザ・ゴール』は、TOC(制約理論)の出発点になった小説です。
AIで作業が速くなった今読むと、「どこを速くすれば全体が速くなるのか」という問いが、工場の外の話として迫ってきます。
どんな本か
舞台は、赤字が続く工場です。工場長のアレックスは、3か月で立て直せなければ工場を閉めると告げられます。
アレックスは、恩師ジョナの問いかけをヒントに、工場の中でいちばん流れを止めている工程を探し始めます。仕事、家庭、部下との関係に悩みながら、工場の流れを少しずつ立て直していく物語です。
工場が舞台ですが、「いちばん詰まっているところに集中する」という考え方は、どんな仕事にも当てはまります。
- 著者:エリヤフ・ゴールドラット
- 訳:三本木亮/解説:稲垣公夫
- 出版社:ダイヤモンド社(日本語版 2001年)
- 原書:The Goal(1984年)
マンガで読むなら:『ザ・ゴール コミック版』(2014年、岸良裕司 監修)があります。物語の流れをつかむ入り口に向いています。
この本の考え方のかなめ

流れの速さは、いちばん遅い工程で決まります。この工程を「ボトルネック」と呼びます。
ボトルネック以外の工程をいくら速くしても、ボトルネックの前に仕事がたまるだけで、全体は速くなりません。
そこで、①ボトルネックを見つける、②使い切る、③ほかをボトルネックに合わせる、④能力を上げる、⑤次のボトルネックへ進む、という5つのステップで改善を続けます。
AI時代に読むと見えること

AIを入れると、資料や文章を「作る」工程は一瞬で終わるようになります。すると、ボトルネックは「確かめる」「決める」工程へ移ります。
下書きが今までの何倍も出てくるのに、確認する人と決める人の数は変わらない。そのままでは、確認と判断の前に仕事がたまっていきます。
『ザ・ゴール』の目で見ると、AIをさらに速くするより、確かめ方と決め方を変えるほうが、全体は速くなります。
明日から使える3つの問い
- いま、うちの仕事でいちばん待ちが長いのは、どの工程か
- AIで速くなった工程の次に、仕事がたまっている場所はどこか
- その場所を止めないために、ほかの工程が合わせられることは何か
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