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作った本人が確かめると、同じ所を見落とす

人でもAIでも、自分の作ったものを自分で確かめると、作ったときと同じ所を見落とします。作るときに思い込んだことは、確かめるときも思い込んだままだからです。

そこで、AIに「作る役」と「確かめる役」を分けます。

作る役と確かめる役のあいだを窓口(親方)がつなぎ、社長は窓口とだけつながって合格後に1回だけ見ること、同じ項目で2回×なら止めることを表した図

2つの役の決まり

作る役確かめる役
すること下書き・図・設定を作る決まりに合っているかを確かめる
しないこと自分で合格にしない自分で直さない
返すもの作ったものと、根拠の資料○×と、×の場所と直し方

確かめる役には、毎回新しいAIを使います。前の会話を覚えていると、作る役と同じ思い込みを持つからです。確かめる役は、作る役の説明を読まず、作ったものと根拠の資料だけを見て判断します。

やり直しは「2回」で止める

作る役と確かめる役のやりとりは、放っておくと終わらないことがあります。そこで、止める決まりを置きます。

社長の窓口は1つにする

役を分けると、AIが何人もいるように見えます。それぞれが社長に質問してくると、社長はどのAIに何を答えたか分からなくなります。

TOCで見ると、このとき仕事を詰まらせているのは社長です。AIの仕事は速くなったのに、社長の返事待ちで全体が止まります。

そこで、社長の返事先を1つにします。

  1. 作る役も確かめる役も、社長に直接聞かない。迷ったら窓口のAIに返す
  2. 作る→確かめる→直す、は窓口のAIがつなぐ
  3. 合格したら、窓口のAIが「見た目・変える前と後の違い・確かめた結果」を1回にまとめて社長に見せる
  4. 社長は、その1回を見て「はい」か「直して」を答える

役は増やしすぎない

役を細かく分けるほど、受け渡しが増えます。受け渡しのたびに、伝え漏れや待ち時間が生まれます。最初は「作る役」「確かめる役」「窓口」の3つで十分です。

AI×TOC研究所での実例

AI×TOC研究所でも、最初はうまくいきませんでした。

AIの役をいくつも作ったら、それぞれから「これをやってよいですか」と確認が届きました。我孫子は、やり方をよく分からないまま、つい気軽に「はい」と答えていました。出来上がってから「ここがだめ」と言い、AIが直す、を繰り返しました。この話は、ブログ「親方チャットを作ったら、ダメダメ社長になっていた私」に書いています。

そこで、2026年10月に返事先を窓口のAI(「親方」と呼んでいます)1つにしました。今は、作る役と確かめる役は親方とだけやりとりし、人間の責任者が見るのは、原則として合格したあとの1回だけです。

「情報漏洩を防ぐAIの使い方」のページを作ったときも、確かめる役は最初に11か所を×にしました。数字と出典が合っていない所や、記録にない効果を書き足していた所です。作る役が直し、もう一度確かめてから、人間の責任者に見せました。

まずやること

いまAIに頼んでいる仕事のうち、外に出るもの(ブログ、お客様への文書)を1つ選んでください。それだけは、作った会話とは別の新しい会話で「この決まりに合っているか確かめて」と頼んでみてください。

あなたの会社で、AIの仕事を最後に確かめているのは誰でしょうか。

「AI顧問」シリーズの記事

← シリーズのはじめ:AI顧問 ― AIに任せられる仕事の場をつくる