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手順書を全部、毎回読ませると重くなる
「AIへの手順書の書き方」のページで、仕事の手順を1枚に書く方法を紹介しました。手順書が増えてくると、次の困りごとが出てきます。
- 決まりのファイルに全部書くと、長くなって大事な決まりが埋もれる
- 毎回全部を読ませると、AIが関係のない手順まで混ぜてしまう
そこで、手順書を仕事ごとに分けて、AIが「その仕事のときだけ」読むようにします。最近のAIの多くは、この仕組みを「スキル」という名前で持っています。

スキルの仕組み
スキルは、次の2つでできています。
| 部分 | 中身 | AIが読むとき |
|---|---|---|
| 見出し(1〜2行) | どんなときに使う手順書か | いつも目に入る |
| 本文 | 手順、決まり、良い例、使う道具 | その仕事を頼まれたときだけ |
AIは見出しだけを見て、「今の仕事にはこの手順書を使う」と選びます。選んだときだけ本文を読みます。手順書が10本あっても、ふだんAIが目にするのは見出し10行だけです。
どの仕事をスキルにするか
TOCで見ると、選ぶ基準ははっきりしています。
「その人がいないと止まる仕事」から、スキルにします。
ある仕事のやり方を1人しか知らないと、その人がボトルネックになります。その人が休めば仕事が止まり、その人の確認待ちで仕事がたまります。その人の頭の中にある手順を書き出してスキルにすれば、AIが同じやり方で下ごしらえまで進められます。
よく使うのは、次のような仕事です。
- 会社の言葉づかいで文章を書く
- 図やグラフを、決まった色と形で作る
- 決まった表に、決まった形で記録する
- 見積もりや報告書を、決まった形で作る
1つのスキルに書くこと
- いつ使うか:見出しにあたる部分。「〜を頼まれたとき」と具体的に書く
- 手順:番号を付けて、上から順に
- やってはいけないこと:この仕事で特に気をつけること
- 良い例:過去にうまくいった完成品を1つ
- できたと言える条件:何を確かめたら終わりか
増やしすぎない
スキルは、多ければよいわけではありません。似た見出しのスキルが並ぶと、AIがどれを使うか迷います。使っていないスキルは、半年に1回見直して片づけます。
また、スキルは手順を伝える道具で、止める道具ではありません。「送る前に人に聞く」のような決まりは、スキルではなく決まりのファイルと、仕組みで止める側に置きます。止める仕組みは「止める仕組み」のページで説明しています。
AI×TOC研究所での実例
AI×TOC研究所では、10本ほどのスキルを使っています。たとえば次のものです。
- 文体のスキル:ブログを、「ワビタン文体」と呼んでいる書き方で書くための決まり
- 図解のスキル:図を、決まった色と形で作るための手順
- 記録のスキル:公開したブログを、管理用の表に決まった形で登録する手順
どのスキルも、見出しに「どんなときに使うか」を書いてあります。AIは頼まれた仕事に合う見出しを見つけたときだけ、そのスキルの本文を読みます。
まずやること
社内で「これは○○さんに聞かないと分からない」と言われている仕事を1つ選んでください。その人に15分話してもらい、手順を書き出せば、最初のスキルになります。
あなたの会社で、1人しかやり方を知らない仕事は何でしょうか。