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AIは、昨日の約束を覚えていない
AIに仕事を頼むと、毎回ほぼ白紙の状態から始まります。昨日「この言葉は使わないで」と言っても、今日の会話ではまた使うことがあります。
人なら、一度言えば覚えてくれます。AIには、毎回同じことを伝え直す必要があります。伝え直すのが社長なら、社長の手間がボトルネックになります。
そこで、会社の決まりを1つのファイルに書き、AIが仕事を始めるときに毎回読むようにします。このページでは、それを「決まりのファイル」と呼びます。

決まりのファイルに書く4つのこと
1. やってはいけないこと
鍵を置かない場所、AIに入力させないもの(パスワードなど)、使わない言葉を書きます。いちばん先に書く部分です。
2. 人に聞いてから行うこと
公開する、送る、消すなど、取り返しのつかない操作を並べます。「何を・どこに・どう変わるかを見せて、『はい』をもらってから行う」と、聞き方まで書きます。
3. 聞かずに進めてよいこと
全部を聞かれると、人が確認するだけで1日が終わります。あとで戻せる小さな記録や整理は、聞かずに進めて、終わったあとで1行知らせる、と決めておきます。
4. 足りないときの動き方
必要な情報や権限が足りないときに、AIが推測で埋めないようにします。「何が足りないかを書いて止まる」と書きます。
長さは100行くらいまで
決まりのファイルは、長ければよいわけではありません。長すぎると、大事な決まりがほかの文に埋もれます。
TOCで見ると、ここでも「全部を守らせよう」とするより、「いちばん効く決まり」を選ぶほうが成果が出ます。目安は100行くらいまでです。仕事ごとの細かい手順は、別の手順書に分けて、決まりのファイルには「この仕事のときはこの手順書を読む」とだけ書きます。
手順書の分け方は「手順書を「スキル」にして呼び出す」のページで説明しています。
決まりは、困った日に1行足す
最初から完璧な決まりは作れません。AIが失敗した日、迷った日に1行足していきます。
足すときは、決めた日も書いておきます。あとで読み返したときに、「なぜこの決まりがあるのか」が分かるからです。古くなった決まりは、残したままにせず、消すか書き換えます。古い決まりと新しい決まりがぶつかると、AIはどちらに従えばよいか迷います。
AI×TOC研究所での実例
AI×TOC研究所の決まりのファイルは、約100行です。AIは仕事を始めるときに、毎回これを読みます。
- やってはいけないこと:鍵の値を返事や記録に出さない。パスワードはAIに入力させない。使わない言葉(決まり文句や絵文字)。言いかえる言葉(会社で決めた用語にそろえる)。
- 人に聞いてから行うこと:公開する、送る、消す、上書きする。1回の「はい」で行うのは、その操作1つだけ。
- 聞かずに進めてよいこと:記録の表に行を足す、メモや下書きを作る。終わったあとで1行知らせる。2026年10月22日に足した決まりです。
- 足りないときの動き方:代わりのもので済ませたり、推測で埋めたりせずに止まる。
- できたと言う前に:出来上がったものを自分の目で確かめ、何を見て確かめたかを1行書く。
まずやること
AIに何度も言い直していることを、3つ書き出してください。それが、あなたの会社の決まりのファイルの最初の3行です。
あなたが最近、AIに2回以上言い直したことは何でしょうか。