← AIディレクター ― AIに任せられる仕事の場をつくる に戻る

「AIを使ってみたけれど、ありきたりな答えしか返ってこない」「本当に合っているのか不安で、結局使わなくなった」。はじめてAIに触れた経営者から、よく聞く声です。

多くの場合、原因はAIの性能ではなく、頼み方と確かめ方にあります。このページでは、AIとのチャットを仕事で使うための、いちばん基本の2つを紹介します。「AIディレクター」で紹介した3つのステップのうち、ステップ1にあたる内容です。

AIは「検索」ではなく「新人スタッフ」

検索エンジンには、短いキーワードを入れれば答えが見つかります。けれどAIに同じように頼むと、誰にでも当てはまる一般論が返ってきます。

AIは、優秀だけれどあなたの会社のことを何も知らない新人スタッフだと考えてください。新人に仕事を頼むとき、「チラシ作って」だけでは伝わりません。誰に向けて、何のために、どんな材料で、どんな形で作ってほしいのかを伝えるはずです。

AIへの頼み方の4つのポイント:立場と背景、目的、材料、出してほしい形

頼み方の4つのポイント

1. 立場と背景

あなたが誰で、どんな状況なのか。「山形で創業30年の工務店を経営しています」の一文があるだけで、答えはぐっと具体的になります。

2. 目的

何のためにやるのか。「チラシを作りたい」ではなく、「秋のリフォーム相談会に、近所の60代のご夫婦に来てほしい」まで書きます。

3. 材料

日時、場所、料金、伝えたいこと、過去のチラシの文面など、AIが知らない事実を渡します。材料がないと、AIはそれらしい数字や内容を作ってしまうことがあります。

4. 出してほしい形

文字数、箇条書きか文章か、案をいくつ出すか。「見出し案を3つ、本文は200字以内で」のように決めておくと、比べて選べます。

例:チラシの文案を頼む

よくある頼み方

リフォーム相談会のチラシを作って

4つのポイントを入れた頼み方

山形県で創業30年の工務店を経営しています。(立場と背景)
秋のリフォーム相談会に、近所に住む60代のご夫婦に来てほしいと考えています。(目的)
日時は11月の土日2日間、会場は自社のショールーム、参加は無料です。
お風呂とキッチンの相談が多いので、そこを中心に伝えたいです。(材料)
チラシの見出し案を3つと、本文を200字以内で書いてください。(出してほしい形)

1回で決めず、会話で直す

AIの最初の答えは、たたき台です。気になるところがあれば、そのまま続けて伝えます。

新人に赤ペンを入れるのと同じです。何度直しても、AIは嫌な顔をしません。

EQで見ると:はじめての道具を使うとき、人は「こんなことを聞いたら恥ずかしい」「使いこなせない自分が情けない」と感じがちです。AIには何度聞いても大丈夫です。うまくいかなかった経験は、頼み方を1つ覚えるきっかけになります。

確かめ方の3つのチェック

AIは、間違っていることも自信のある口調で答えることがあります。仕事で使う前に、次の3つを確かめます。

AIの答えを仕事で使う前の3つのチェック

チェック1 事実は合っているか

数字、日付、人や会社の名前、法律や制度の内容は、必ず元の資料や公式の情報で確かめます。特に、自分が材料として渡していない事実が出てきたら要注意です。

チェック2 頼んだ条件を満たしているか

文字数、案の数、入れてほしいと伝えた内容が、きちんと入っているか。抜けていたら、そのまま「○○が入っていません」と伝えて直してもらいます。

チェック3 自分の言葉になっているか

そのまま使える文章でも、最後は自分で読み、自分の言葉として出せるかを確かめます。お客様に届くものの責任を持つのは、AIではなく会社です。

この記事の内容を、自社で確かめるなら

特典3

ザ・ゴール式 AI活用5ステップ 早見表

AIを本格的に入れるのは「4番目」。効果が出る会社が守っている5つの順番を、1枚にまとめました。

LINEで無料で受け取る

友だち追加後、トークでゴールと送ると届きます

入れてはいけない情報

チャットに入れた内容が、どのように保存・利用されるかは、AIサービスや契約の種類によって違います。使う前に、サービスの設定と会社のルールを確認してください。少なくとも次のものは、ルールが決まるまで入れないようにします。

今日からできる3つの練習

  1. メールの下書き:返信に迷っているメールを、4つのポイントを入れて下書きしてもらう(個人情報は伏せて)
  2. メモの整理:会議や打ち合わせの走り書きを貼って、「決まったこと」「やること」「担当者」に分けてもらう
  3. 考えの壁打ち:迷っている判断について、「賛成の理由と反対の理由を3つずつ出して」と頼む

毎日1つ、仕事で使ってみるのがいちばんの近道です。同じ頼み方を何度もするようになったら、次のステップの合図です。くり返す説明は「AIへの手順書の書き方」にまとめておくと、毎回の説明がいらなくなります。

社員みんなで頼み方と確かめ方を身につける研修も行っています。