こんにちは、ワビタンです。
神奈川から遊びに来た友人が、鶴岡駅前のビジネスホテルに泊まったときのことです。「コンビニって、どこにあるんですか?」と、不思議そうに聞かれました。
「ありません」と答えると、「え!」と驚かれました。
都会では当たり前の駅前コンビニも、鶴岡では当たり前ではありません。場所が変わると、常識が常識でなくなるんです。

常識には、前提条件がある
駅前にお店が並ぶのは、「人が電車を使い、駅前を行き交う」という前提があるからです。その前提がなければ、常識は成り立ちません。
私の実家は、鶴岡の駅前通りで食堂をしていました。昭和50年ごろ、路面電車が走っていた頃の駅前は、人であふれていました。学生も会社員も、夕方の6時台は家路を急ぐ人でいっぱい。実家の食堂にも、たくさんの人が出入りしていたものです。
いまは、駅前を歩く人はほとんどいません。完全な車社会です。地元の人にとって、駐車場の少ない駅前のコンビニは使いにくい。前提が変わったから、常識も変わったのです。
「バランスのいい会社」は、なぜつぶれるのか
TOCを学んで、私の中で大きく崩れた常識があります。「バランスのいい会社を目指すべき」という考え方です。
どの工程も同じだけの力を持つ、無駄のない会社。いかにも理想的に聞こえます。ところがTOCでは、バランスのいい会社はむしろ危ういと考えます。
仕事には、必ずばらつきがあります。早く終わる日もあれば、遅れる日もある。どの工程にも余裕がないと、ばらつきが次の工程へと伝わり、遅れだけが積み重なっていきます。その結果、全体としては思ったほど成果が出ないんです。
大事なのは、全体の成果を決める1か所(制約)を決めて、そのほかの工程にはあえて余裕を持たせること。「全部を同じだけ速く」ではなく、「1か所に合わせて流す」。これがTOCの考え方です。

AIで、仕事の前提が変わった
ここからは、いまの話です。
AIが入って、職場の前提は大きく変わりました。資料は数分でできる。調べものも一瞬。以前は「手間がかかるから仕方ない」とされていたことが、そうではなくなりつつあります。
前提が変われば、常識も変わる。駅前のコンビニと同じです。
ところが多くの職場では、前提は変わったのに、ルールや段取りは昔のまま、ということがよくあります。
- 「この書類は、必ず上司が目を通してから」
- 「会議は、全員そろってから」
- 「見積もりは、ひとつずつ手で作る」
どれも、かつては意味のあったルールです。でも、AIで作業が一気に速くなったいま、そのルールが新しい「詰まり」になっていることがあります。

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AI導入で起きる「抵抗の6段階」診断シート
社内でよく聞く声にチェックするだけで、AI導入がどの段階で止まっているか、その裏にある気持ちまでわかります。
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AI時代に疑いたい、3つの常識
- 「全部の工程を、AIで速くすればいい」 速くすべきなのは、全体の成果を決めている1か所です
- 「AIに任せるほど、効率が上がる」 任せた先で、確認や判断の仕事がたまることもあります
- 「ルールは、守るためにある」 ルールにも前提があります。前提が変わったら、見直す時期です
まず、前提を書き出してみる
自社の「当たり前」を1つ選んで、その前提を書き出してみてください。「このルールは、何を前提に決めたんだろう?」
前提がいまも生きているなら、そのままでいい。もう変わっているなら、そこが見直しどころです。AIを考える相手にして、「このルールの前提は何? いまも成り立つ?」と問いかけてみるのも、ひとつの方法です。
常識を疑え、といっても、すべてを疑う必要はありません。疑うのは、前提が変わった常識だけ。AIが変えた前提を見きわめることが、次の一手の出発点になるはずです。
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