親方を、どこに置くか
私はいま、AIに仕事を任せるときに「親方チャット」を置いています。
方針を決めて、AIに作業を割り振り、上がってきた結果を見て判断する。いわば監督役のAIです。
最近、Claude Codeのセッション同士が、お互いにやっている内容をやり取りできるようになりました。
そこで、ふと考えました。
親方も、Claude Codeの中に置いたほうがいいのではないか。
結論から言うと、今の私の使い方では、親方はClaudeのチャット側に置いておくのがいい、という答えになりました。
この記事では、そう考えた理由と、では「現場監督」のようなClaude Codeのセッションは、どんなときに必要になるのかをまとめます。
親方の仕事は、手を動かすことではない
まず、親方の仕事を整理しておきます。
親方の仕事は、自分で手を動かすことではありません。
方向を決めること。結果を見ること。次へ進めるかを判断すること。
つまり、いつでも「指示と判断」ができることが、いちばん大事なんです。
親方チャットを、Claude側に置くメリット
Claudeのチャットはクラウドで動いています。
そのため、パソコンを閉じても止まりません。
出先でスマホから開いて、追加の指示を出すこともできます。
一方で、親方をClaude Codeの中に置くと、パソコンが起きていないと動きません。
スマホから気軽に指示を足しにくいのは、親方としては大きな弱点です。

しかも、Claudeのチャット側からでも、パソコンが起きていれば、手元のファイルやブラウザを使った作業ができます。
実際に今日は、ひとつの親方チャットの中で、コラムを書く、図を作る、ホームページに下書きを入れる、画像をアップロードする、Notionに記録する、まで回りました。
親方が、直接現場に手を出せる状態になっているんです。
間に「現場監督」を置くと、かえって複雑になる
では、親方チャットはクラウドに置いたまま、パソコンの中にClaude Codeの「現場監督」を置き、そこから職人のセッションを動かすのはどうでしょうか。
流れを書き出してみると、こうなります。
親方チャットが指示をNotionに書く。現場監督がそれを読む。職人に指示を出す。職人が報告する。現場監督がまとめる。またNotionに書く。親方チャットがそれを読む。
伝言の受け渡しが、2回増えるんです。
受け渡しのたびに、話の背景が少しずつ抜け落ちます。どこで止まっているのかも、分かりにくくなります。
TOCの見方でいえば、流れの中に「待ち」と「受け渡し」が増える形です。
仕事を速く流したいのに、わざわざ関所を増やしてしまうことになります。

今の規模なら、2つで十分
今の私の使い方は、とてもシンプルです。
ふだんの指示と判断は、Claudeの親方チャット。
重い開発作業などは、Claude Codeのセッションで直接進める。
両方で共通して知っておくべきことは、Notionに置いておく。
親方チャットと、Claude Codeのセッションが1つ。
この規模なら、間に監督を挟む必要はありません。

パソコンを使わない仕事は、クラウドだけで回る
さらに最近、Claudeのチャットには、Coworkの機能がひとつにまとまりました。
これで、親方チャットの中でも、サブエージェント(手分けして動く小さなAI)を立てて、仕事を並行して進められるようになっています。
たとえば、調べもの、文章の下書き、図の作成、内容のチェック、Notionへの記録。
パソコンの中のフォルダやソフトを使わない仕事なら、クラウドの親方チャットとサブエージェントだけで完結します。
パソコンを閉じていても、スマホから指示を出して、出先で進められるんです。
整理すると、仕事の置き場所は次の3段階で使い分けられます。
1つ目。パソコンを使わない仕事は、クラウドの親方チャットとサブエージェントで。
2つ目。手元のファイルや、ログインが必要なサイトの操作が要るときは、パソコンを起こしておいて、親方チャットから動かす。
3つ目。手元のソフトやフォルダが中心の重い開発は、Claude Codeのセッションで。
現場監督の出番は、この3つ目のセッションが増えて、詰まりが出てきたときです。

現場監督が必要になるのは、こんなとき
では、Claude Codeの現場監督は、どんなときに役に立つのでしょうか。
私は、次の3つがそろったときだと考えています。
1つ目。Claude Codeのセッションを3つ以上、同時に走らせているとき。
2つ目。アプリ開発のように、何時間もかかる作業を進めているとき。
3つ目。セッション同士でお互いの結果を見ながら調整させたいのに、自分はその間ずっと見ていられないとき。
こうなると、セッション同士のやり取りを、パソコンの中でまとめてくれる役が必要になります。
ここで初めて、現場監督が流れを良くする存在になるんです。
逆に言えば、この状況が出てくるまでは、足さなくていい。
仕組みは、詰まりが出たところに足すものだと思います。

判断する人は、1人だけ
もう1つ、大事なことがあります。
親方チャットと現場監督、どちらを置くにしても、最後に判断する人は1人だということです。
以前のコラムで、人間は同時に1つしか深く考えられない、と書きました。
監督役が増えて、人間の側が両方の相手をし始めると、今度は人間の側で「悪いマルチタスク」が起きてしまいます。
AIの体制は、大きくしようと思えばいくらでも大きくできます。
でも大事なのは、今の仕事の量と流れに合っているかどうか。
まずは、親方チャットとClaude Code。それで回らなくなったら、現場監督を足す。
この順番で十分だと感じています。
あなたのAIの体制は、今の仕事の流れに合った大きさになっていますか?


