「AIで何ができるか」の前に、自分の事業の「なぜ」を見直す

「AIで何ができるか」の前に、自分の事業の「なぜ」を見直す(Why・How・Whatの3つの円)
この記事の結論
AIで「何ができるか(What)」「どうやるか(How)」を考える前に、自分の事業が「なぜ(Why)」それをしているのかを見直す。Whyが決まれば、取り入れるべきAIも、使い方も自然と決まってきます。
この記事でわかること
  • ゴールデンサークル理論(Why→How→What)の基本
  • AIの相談が「What」と「How」だけで終わりがちな理由
  • AIを取り入れる前に、事業の「Why」を問い直す2つの質問
目次

最近、口酸っぱく伝えていること

コンサルの現場で、ここのところ何度も同じ話をしています。
サイモン・シネックの「ゴールデンサークル理論」です。

円を3つ重ねた図を思い浮かべてください。
いちばん内側が「Why(なぜ)」。
その外側が「How(どうやって)」。
いちばん外側が「What(何を)」。

人の心を動かす会社や人は、内側のWhyから語り始める。
シネックは、Appleを例にこの話をしています。
何を売っているかより先に、なぜそれをやっているのかを伝える。
だから、人が動くんです。

私はいつも「Whyから始めて、How、Whatの順に考えましょう」と伝えています。
Whyこそが、事業の要だと思っているからです。

ゴールデンサークル理論:内側からWhy(なぜ)、How(どうやって)、What(何を)。AIはWhatに入る

相談の多くが「What」から始まるようになった

生成AIでやれることが、一気に増えました。
それに合わせて、私への相談も変わってきています。

「AIでホームページは作れますか?」
「LINEとAIをつなぐと、何ができますか?」

どれも「What」の相談です。
そして話は、「こういうツールで、こういう手順でやる」というHowに進んでいきます。

Whatから出会うのは、悪いことではない

誤解のないように書いておくと、Whatから出会うこと自体は大切なんです。
私自身、このサイトでも、AIを使ったホームページづくりや、LINEとMCPをつなぐと何が変わるか、といった情報をお伝えしています。
入り口としてのWhatは、今の時代に必要なものだと強く感じています。

気になるのは、WhatとHowだけで話が終わってしまうことです。
新しいツールが出るたびに、試して、手順を覚えて、また次のツールへ。
忙しく動いているのに、事業としては前に進んだ気がしない。
そんな声も聞くようになりました。

TOCでも、最初に決めるのは「ゴール」

私が使っているTOC(制約理論)でも、最初に決めるのは「その事業のゴールは何か」です。
ゴールが決まらないと、どこが詰まっているのか(ボトルネック)も決まりません。
どこを良くすれば全体が良くなるのかも、見えてこないんです。

AIも同じだと思っています。
なぜ、それをやるのか。
そこが決まっていれば、取り入れるべきAIは自然としぼられます。
逆にWhyがないまま入れたAIは、便利な道具が1つ増えただけで終わりがちです。

まず、自分の事業の「Why」を見直す

だから最近は、AIの話をする前にこう問いかけるようにしています。

「そもそも、なぜこの事業をしているのでしょう?」
「誰の、どんな困りごとを解決したいのでしょう?」

ここが言葉になってから、「では、AIの何を取り入れるか(What)」「どう取り入れるか(How)」を考える。
順番を逆にしない。
それだけで、AIの選び方も、使い方も変わってきます。

AIを取り入れるときの考える順番:よくある順番はWhat→How→Whyが抜ける、おすすめはWhy→How→What

流れが変わるときこそ、軸を見直す

市場の流れも、時代の流れも、お客さまのニーズも、大きく変わっています。
Whatは、これからも次々に新しいものが出てくるはずです。
でも、Whyはそう簡単には変わりません。
変わりにくいからこそ、事業の軸になるんですよね。

実は、これは私自身への言葉でもあります。
AIの情報を発信すればするほど、Whatの話が増えていく。
だからこそ、もう一度、自分のビジョンという「Why」をしっかり見つめ直したいと思いました。

あなたの事業の「なぜ」は、ひと言で言えますか?

※AIの進化はとても速いため、少し前のコラムでは前提が変わっていたり、今では当てはまらない内容になっていたりすることがあります。すべての記事を常に最新に保つのは難しいため、取り入れるときは最新の情報もあわせて確認してください。ここでは、私自身が実際に試して効果があったことを、その都度お届けしていきます。なお、TOC(制約理論)の基本の考え方は、AIが進化しても大きくは変わりません。

この内容を学べるセミナー

このテーマのセミナーは、現在準備中です。

自社の場合はどうなのか、相談してみませんか

AIを入れたのに、業務の流れが変わらない。どこから手をつければいいかわからない。そんなお悩みを、TOCの視点で一緒に整理します。