AIで、仕事の前提が大きく変わりました。資料も文章も、下書きなら一瞬で出てきます。
それでも、仕事全体が思ったほど速くならない会社は少なくありません。その理由を考えるときに役立つのが、40年ほど前から書かれてきたゴールドラット博士の本です。
博士の本の多くは小説の形で、工場やお店やプロジェクトの「詰まり」をどうほどくかを描いています。道具がAIに変わっても、詰まりをほどく考え方は古くなっていません。このページでは、6冊の本を、AI時代の目で読み直します。
6冊と「TOCの視点」の対応
本は、原書が出た順に並べています。本の名前を押すと、その本をAI時代に読むページへ進みます。
| 本(原書の年) | TOCの視点 | AI時代に読むと見えること |
|---|---|---|
| 『ザ・ゴール』(1984年) | 物理的ボトルネック | 「作る」が速くなると、ボトルネックは「確かめる・決める」へ移る |
| 『ザ・ゴール2 思考プロセス』(1994年) | 思考プロセス | AIが答えを速く出すほど、「何を問うか」が大事になる |
| 『クリティカルチェーン』(1997年) | クリティカルチェーン | 作業時間がぶれるAI時代こそ、余裕は全体で持つ |
| 『チェンジ・ザ・ルール!』(2000年) | チェンジ・ザ・ルール | AIを入れても、ルールが昔のままなら利益は変わらない |
| 『ザ・チョイス』(2008年) | ザ・チョイス | AIが答えを出す時代ほど、考えることを人が選ぶ |
| 『在庫管理の魔術(ザ・クリスタルボール)』(2009年) | クリスタルボール | AIの予測は便利。それでも、外れても困らない仕組みが要る |
どこから読むか ― 悩みから選ぶ
どの本から読むか迷ったら、まずは『ザ・ゴール』から始めてください。ほかの本も、この1冊を土台にしています。2冊目は、いま抱えている悩みに近い本を選ぶと読みやすくなります。
問題の根っこが見えない →『ザ・ゴール2 思考プロセス』
問題がいくつも絡み合っていて、どこから手をつければいいか分からない。そんなときに、問題の根っこを見つけて解決策を考える道筋が学べます。
プロジェクトが予定どおりに進まない →『クリティカルチェーン』
余裕をもって見積もったはずなのに、いつも締め切りぎりぎりになる。プロジェクトが遅れる理由と、その対策がわかります。
システムやAIを入れたのに、利益が出ない →『チェンジ・ザ・ルール!』
新しい道具を入れても、仕事のルールを変えないと利益にはつながらない。AIを入れようとしている会社に、いちばん近い悩みを扱った本です。
在庫が多い、でも品切れもする →『在庫管理の魔術』
売れ残りは困る、でも在庫を減らすと品切れが怖い。小売の在庫の悩みを扱った本です。以前は『ザ・クリスタルボール』という書名で出ていました。
考え方そのものを深めたい →『ザ・チョイス』
博士が娘さんとの対話の形で、ものの考え方を語った本です。TOCの土台にある見方にふれられます。
6冊の紹介
本の選び方をもっと知りたい方へ
コミック版のことや、博士の言葉を集めた本、読み方のコツは「TOCを学ぶ本」のページにまとめています。