先日、相談に来られたある社長に、自作のアプリを見せてもらいました。
売上をはじめ、かなり細かい数字まできちんと管理されていました。
とても素晴らしいものでした。
今日は、そのときに私が投げかけた問いと、お伝えした提案について書きます。
数字は、ちゃんと出ている
アプリでは、いろいろな観点の数字が出ていました。
絞り込みもできるし、月別・年度別にも見られる。
私が学んでいるMQ会計の見方でも、だいぶ深く掘り下げられる作りでした。
(MQ会計の細かいところは、リアルの勉強会で一緒にお伝えしたいので、ここではあえて書きません。)
数量ですぐ答えられる「定量的なデータ」は、このアプリを触れば出てきます。
だからこそ私は、数字の外側を聞いてみることにしました。

数字の「理由」を聞いてみた
投げかけたのは、こんな問いです。
- この数字になった原因は何ですか?
- 成果の元は何ですか?
- どんな市場の状況があって、このデータになったんですか?
理由や原因、人の受け止め方。
数字だけでは見えない「定性的な」問いを、次々に重ねていきました。
すると、社長からは答えがどんどん出てきます。
「この時はライバルがこうだったから」
「うちのデータからは、こういうことが言える」
「この時期、スタッフがこんなことをやっていた」

その答え、スタッフにも伝わっていますか?
聞いていて、ひとつ気になったことがあります。
社長がその場ですぐに答えられた背景や文脈は、スタッフにも伝わっているのだろうか、ということです。
数字はアプリを開けば誰でも見られます。
でも、その数字の「なぜ」は、社長の頭の中にしかない。
TOC(制約理論)の見方で言えば、ここがボトルネックになります。
理由を知りたいスタッフは、そのたびに社長に聞くしかない。
社長が忙しければ、そこで流れが止まってしまいます。
「AIがわかる」ではなく「スタッフがわかる」
そこで提案したのが、定性的なデータもデータベースとして残しておくことです。
AIとの相性がいいObsidianやNotionで作っておく。
さらに、数字のデータと紐付けられれば、見え方がまた変わってきます。
社長は「Markdownでまとめてある」とおっしゃっていました。
それ自体はいいことです。
ただ、そのままでは、ひと目ではわかりにくい。
目指したいのは、「AIがわかる」状態ではなく、「スタッフがわかる」状態です。
そうお伝えしました。

人は、忘れる
もうひとつ大事なのは、社長自身も人間だということです。
今すらすら言えることも、時間が経てば忘れてしまいます。
定性的なデータをどう残し、どう扱うか。
それ自体が、人のボトルネックになり得ます。
前のブログ「「どうしてその選択なんだろう?」を考える癖」でも、「なぜ」を考える話を書きました。
その「なぜ」の答えも、残しておかなければ消えていきます。
これまで取り入れてきたナレッジの環境を整えて、あとからしっかり見返せる仕組みを作っておく。
今回の相談で、私自身もあらためてそう感じました。
動画でも解説しています
このブログの内容を、ワビタン(我孫子)が3分の動画でお話ししています。
あなたの会社の数字、その「理由」はどこに残っていますか?
社長やベテランの頭の中だけ、になっていないでしょうか。


